『いまさら人に聞けない外貨預金のこと』
「大手銀行外貨預金に誘導」
こちらの記事は、4か月程前の
日経新聞14版の5面のタイトルです。
今日は、いまさら聞けない外貨預金のこと
について情報シェアー出来ればと思います。
記事には、
日銀が「マイナス金利政策」を導入決定後、
大手銀行などが外貨預金の金利を相次いで
引き上げているとあります。
これは、どういうことかというと、
円での運用先に困る中、「銀行として」
円預金を増やさないための狙いがあります。
「外貨預金」って、どんなものと思われた方
向けに解説してゆきます。
外貨預金とは、その名の如く銀行に
ドルやユーロの外貨で預けることになります。
いってみれば、銀行本来の商品の中には、
円ベースでみれば、元本が確保されるもの
が中心なのですが、この外貨預金は唯一、
円ベースでは、元本が確保されません。
すなわち、元本が変動することになります。
元本が確保されないってどういうこと?
と思われた方も多いとおもいます。
ちなみに、4か月前のドル円相場のレベルは、
1ドル=113.00-114.00円で推移していました。
現在は、106.00円台での推移となっていますが、
6月24日には、1ドル=100.00円を突破しました。
単純に考えても10円以上、ドル安円高になりました。
仮にその時に、10,000ドル預金していたとすると!
10円×10,000=100,000円損したことになります。
たった4か月で、100,000円すっ飛んだことになります。
当時の大手銀行は、預金者に盛んになって
外貨預金を勧めていましが、たったの4か月で
こんなに損をしてしまっていますが、
損失補てんはもちろんしてくれませんが、
勝手な銀行自身の都合で誘導しておいて
どう言い訳をしてくれるんでしょうね?
金融の世界に長く身を置くものとしての
経験からすると、為替に対してほど
いい加減なコメントする解説者は、
数え切れないくらいみてきました。
また、書物もたくさんでていますが、為替程
予想することがむつかしいものはありません。
新聞やニュースで、今日のドル円相場は
1ドル=106.00円などと報道されている
のをご覧になったことがあると思うのですが、
これは、1ドルを106.00円で交換されている
ということを意味します。
海外に行かれた方は、
イメージが湧くと思うのですが、
旅行に行く時に
TTSで
円 → ドル に交換して
旅行帰りに
TTBで
ドル → 円に換金します。
すなわち、このTTSとTTBの差というのが、
銀行の手数料になります。
大手銀行に預金時のTTSとTTBは、
市場のレートに対して、
大体50銭程度です。
こんなイメージです。
TTS :106.50円
市場のレート: 106.00円
TTB :105.50円
今、市場のレートが、
106.00円だとして、
10,000ドル
を購入したとします。
必要な資金は、
106.50円×10,000ドル=1,065,000円
となります。
市場のレートが、106.00円のままとして、
(実際こんなことはありませんが)
この10,000ドルを円に換金したいとします。
換金できる金額は、
105.50円×10,000ドル=1,055,000円
10,000円、円ベースでみると減ってしまいます。
これが、銀行の手数料です。
すなわち、儲けとなります。
このように、ドルを買って、すぐに
売却をしてしまうと損失が出てしまう
可能性が非常に高いです。
金融資産を通貨の分散という観点から
外貨に振り向けるという点においては、
非常に良いことなのですが、
為替リスクという点を十分に念頭において、
行動することが重要になってきます。
また、預金保険機構の対象外なので、
万が一、銀行が破たんした場合の払い戻し
に関しては、金融機関の支払い能力に
保証額が変化することも注意が必要です。
今日は、
いまさら人に聞けない外貨預金に
ついてお届けしました。
Sam
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